中国によるアジア経済戦略の現状と挑戦

Abstract

本研究では、中国とアジアの経済関係は 10 数年来、貿易・投資・ 援助を通じて深まる一方であること、中国が改革開放以来累積して き た 資 産が少 なか らぬア ジア 国家の 依存 対象に なっ たこと を述 べ る。中国は「一帯一路」を通じてアジア全体のインフラ発展を進め、 経済環境と連結性を改善することで、アジア各国の市場への参入を 充分容易にし、中国の急速な経済発展との連携を持続させることを 望んでいる。 しかし、アジアとの相互依存度が高まっていく中で、 中国はいくつかのアジアのケースで見られるような過度な略奪的経 済戦略モデルを減らし、 アジアインフラ投資銀行が当面示している 世界秩序との協調に向けた姿勢を維持する必要がある。さもなけれ ば、相手国の社会からの反発に遭遇するであろう。