Please use this identifier to cite or link to this item: https://ah.lib.nccu.edu.tw/handle/140.119/134929
題名: 才さかし出ではべらむよ - 『紫式部日記』の一文 -
作者: 栗田岳
Kurita, Gaku
貢獻者: 日文系
關鍵詞: ムヨ ; さかし出づ ; 推量 ; 疑問文
日期: Mar-2010
上傳時間: 19-May-2021
摘要: 『紫式部日記』の「才さかし出ではべらむよ」という一文(「当該箇所」と称する)について、「さかし出づ」と「むよ」の実例を調査し、以下の結論を得た。まず、当該箇所に見られる「さかす」は、「【才】を盛んな状態にする」意である。さらに、それが「出づ」と複合した結果、「【才】を【さかす】ことによって、【才】が表に【出づ】」という構造を成す。したがって、「才さかし出づ」とは、「才知を盛んな状態にすることによって、その才知が表に現れる」の如く解釈するのが適当である。一方、述語にムヨを持つ文には、言語主体の、「自身の当然とするところから外れた事態が、未来時において避けがたく生じてしまう」という判断を表す例があり、当該箇所も、その一つと見られる。以上を総合するに、当該箇所とは、「宮中で才知を働かせて、それが人の知るところになる」という事態は、謙抑を当然とする自分本来の姿からは外れているけれど、その事態がこの先に生じてしまうことは避けがたい、と嘆息する文である。そして、この解釈は、当該箇所に続く『紫式部日記』全体の文脈と調和している。
關聯: 言語情報科学, Vol.8, pp.17-32
資料類型: article
DOI: https://doi.org/10.15083/00016566
Appears in Collections:期刊論文

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